瀬川 拓郎 先生 瀬川 拓郎 先生

2019.12.18 (Wed)

  • サツダイの先生

博物館館長から大学教授に!
瀬川 拓郎 先生

札幌大学
専門分野::考古学、アイヌ史

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<先生の研究テーマを教えて下さい。>
アイヌの人々の経済的な活動に関心があります。何を食べて、どんな物々交換をしていたのか。平安時代から交易は始まっていて、鮭や弓矢に使う大鷲の羽は本州にとって高級品であり物々交換に利用していたようです。今後も物を通して歴史を掘り下げていきたいと思っています。
<担当している授業を教えて下さい。>
アイヌの歴史は本田優子先生と2人で旧石器時代から現代までのアイヌの歴史を教えていて、私は旧石器時代から中世までを担当しています。北海道地域文化論はコピーライターなどの北海道の文化と深く関わっている人たちに講義をしていただき、北海道独特の歴史や文化を毎回違った切り口で説明しています。授業を通して北海道を誇りに思ってもらえたら本望です。

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<考古学に加え、アイヌの研究にも取り組むようになった理由は?>
旭川で遺跡の発掘の仕事を始めると、一緒に作業した人たちの中にアイヌの皆さんもいて、身近に感じたのです。もともと北海道に住んでいたのはアイヌの人たちで、遺跡の発掘も自分が親しくなった人たちの祖先の歴史を調べているのだとリアルに感じて、自分もアイヌの歴史を語っていきたいと思いました。
<講義を通して学生に伝えたいことは?>
大学は学問をする場所です。私は考古学やアイヌの歴史を面白いと思ったのでずっと学んできました。そう感じたところから興味関心が広がっていき、学問が楽しいと思えるのではないのでしょうか。だからこそ自ら学問の面白さを伝えていきたい。私の講義をきっかけに、アイヌの本を手に取って開いてくれると素晴らしいなって思っています。

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Profile
札幌市出身。岡山大学にて考古学を学ぶ。卒業後、旭川市職員に。同市博物館の学芸員としてアイヌ民族史を研究し、館長を勤める。2018年に退職し同年、札幌大学に赴任。担当授業は北海道地域文化論・アイヌの歴史・考古学特講B。主な著者は『アイヌ学入門』 (講談社現代新書)など、単著を8冊出版している。
高校生へのメッセージ
歴史学は過去の真実を明らかにするのではなく、それを通じて自分が何を考え、どのように生きようとしているのか。つまり自分とは何者なのかを発見する学問でもあります。札幌大学でアイヌや北方の歴史を一緒に学び、北海道がさらに大好きになっている自分を発見してみませんか。