金 誠 先生 金 誠 先生

2021.01.18 (Mon)

  • サツダイの先生

スポーツの重要性を伝える
金 誠 先生

札幌大学・札幌女子短期大学部
専門分野:スポーツ史・朝鮮近代史

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<講義内容を教えてください。>
スポーツ史、スポーツ文化論に加え、教職課程のソフトボール、体育実技ではレクリエーションやバドミントンなどを担当しています。どの講義でも、誰もがスポーツを楽しむために何が大切かを考えてほしいと思っています。そのためには、スポーツの良い面と悪い面の両方をバランスよく理解することが重要です。
<スポーツに負の側面があるのですか?>
五輪の競技場建設で住居の立ち退きを迫られる人々がいたり、政治的な問題が顕在化したり、弱者を生み出してしまうことがあります。例えば著書で取り上げたベルリン五輪(1936年)マラソン金メダルのソン・ギジョン選手。彼は朝鮮出身ですが植民地だったので日本代表として出場するしかなかったのです。著書では彼の板挟みになった立場について考えてみました。
<コロナ禍で変化したことは?>
大学の授業形態が大きく変わりました。学生と話す機会が減ると、スポーツを指導する側にとっては難しい部分が多いですね。今は集団ではなく個人でスポーツや体を動かすことへの意識を高めてもらい、体を動かすことのできる場所で、できることに取り組むことが大切だと考えています。

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Profile
兵庫県出身。朝鮮半島の植民地時代のスポーツについて研究し、日韓関係の歴史も調べている。自身も学生時代に野球や空手に熱中し、現在はフルマラソンの完走を目指してランニングに取り組んでいる。
高校生へのメッセージ
高校生までの勉強は決まった知識を自分の中に取り込まないといけない作業だと思うのですが、大学生になったらそれを1度壊してほしいですね。そうすると、勉強もスポーツもまったく見え方が変わってきます。その世界を楽しんでほしいなと思いますね。